3/17(月)は、セントパトリックデーだ。※2025年
ニューヨークでは、街に緑色の衣装の人が溢れ、バーなどが賑わい、5番街でパレードも行われる。
その5番街には、セントパトリック大聖堂という、観光で人気の大きな教会がある。
同じセントパトリックの名を持つが、何か関係があるのだろうか?
先日散歩でセントパトリック大聖堂を訪れたこともあり、調べてみることにした。
宗教関係の話だが、特定の信条に言及する意図はなく、あくまで自分の学習のまとめとして記載する。
セントパトリックとは?
セントパトリックデーとセントパトリック大聖堂は、どちらも、聖パトリック(St. Patrick)に由来している。
聖パトリックとは、アイルランドでキリスト教を広め、アイルランドの文化や歴史に深く影響を与えたとされる人物で、アイルランドで最も重要な聖人とされている。

セントパトリックデーとは、その命日(没年:461年頃)を記念する祝日だ。
アイルランドだけでなく、世界中のアイルランド系移民がその日を祝い、特にアイルランド系移民の多いニューヨークでは、セントパトリックデーのパレードは、全米最大級の規模と言われている。
そのセントパトリックに献堂された教会がセントパトリック大聖堂である。
「献堂(けんどう)」とは、教会や礼拝堂を特定の聖人や神に捧げ、その名のもとに建てられたことを正式に認めることを言う。
日本の文化で例えるならば、「この神社には菅原道真が祀られている」のような感じだ。(ただ、献堂では「そこにその人がいる」というより「記念して名前を付ける」という意味合いが強いようだ。)
セントパトリック大聖堂は、1858年に建設が開始された。
この時期、ニューヨーク市で急速に増えたアイルランド系移民の信仰を支えるために作られたものだそうだ。
セントパトリックデー当日には、アイルランド系アメリカ人を祝うための特別なミサも行われる。


セントパトリックにまつわるお祭りや教会がこれほど盛大であるということは、ニューヨークでは、アイルランド系移民(カトリック)がそれだけ重要な存在だということだ。
なぜアイルランド系移民が多い?
ニューヨークにアイルランド系移民が多い理由は、飢饉をきっかけに移住し、その後定住したからだ。
19世紀中頃、アイルランドではジャガイモ飢饉(1845年~1852年)が起こり、食糧不足で大量の人が飢えや病気で死亡した。
また、カトリックが多かったアイルランドは、宗教改革の影響でプロテスタント化したイギリスからの差別の対象になり経済的にも困窮していた。
そこで、多くのアイルランド人が新天地を求めてアメリカに移住した。
その際、移民の玄関口になっていたのがニューヨークのエリス島(自由の女神を見に行くときにも停泊する島)であり、そのままたくさんの人がニューヨークに定住したとのことだ。
ただ、この時期はアメリカでもカトリックは差別の対象となっていた。
なぜなら、このころ発見された新大陸、アメリカには、宗教改革でキリスト教(カトリック)に異議を唱え、信仰の自由を求めて移住したプロテスタントが多かったからだ。
聖職者の腐敗した(と考えられていた)支配を受けるカトリック教徒は、当時のアメリカ社会の基本である民主主義と相反すると見なされていた。
しかし、彼らは当時のアメリカで「低賃金で危険な仕事」とされていた警察や消防の仕事につき、それを同じカトリック信仰のアイルランド移民のコミュニティで斡旋しあい、雇用を拡大し、社会的な信用を得ることでだんだんと地位を向上させていった。
その後、他の国からの移民も増えたため、「古くからの移民」であったアイルランド系移民がアメリカ人として認められていったのだ。
アメリカでのセントパトリックデーの祝日が盛大なのは、こうした差別を乗り越えてきたという「移民」特有の歴史も関係しているのかもしれない。
なぜ緑色を身につける?

セントパトリックデーと言えば、緑の物を身につけるがこれはなぜだろうか?
これには主に2つの理由がある。
1つは、緑がアイルランドという国を象徴する色だからだ。
アイルランドは「エメラルド・アイル(エメラルドの島)」と呼ばれるほど緑豊かな国で、国旗の緑もカトリック系アイルランド人を象徴している。そのため、セントパトリックデーではアイルランドの文化や誇りを表す色として緑を身につけるのが定着したようだ。
もう1つは、セントパトリックがキリスト教を広める際、「三位一体」の教えを説明する際に、シャムロック(クローバー)を用いたからだ。
三位一体とは、「神は唯一であるが、その本質の中に、創造主である父(Father)、救済者である子(Son=イエス)、信者を導く存在である聖霊(Holy Spirit)という三つの異なる側面がある」という考え方である。
私は、文章を読んでもうまく理解することができなかったのだが、実際にこの教義は、人間の論理では完全に説明するのが難しいキリスト教の神秘の一つであり、同じキリスト教の中でも解釈が分かれるようだ。
キリスト教を信仰していなかった当時のアイルランド人に、わかりやすくこの教えを説明するために、セントパトリックは、身近にあった「クローバー」を使ったのだ。

ChatGPTを使って、クローバーを使った当時のセントパトリックの説教を再現してもらった。
私たちが信じる神は、唯一の神ですが、その中に三つの姿があるのです。それは、「父」・「子」・「聖霊」です。
しかし、これは目に見えず、理解するのが難しいでしょう。だから、今日は皆さんがよく知るこの草(クローバー)を使って説明しましょう。
見てください、このシャムロック(三つ葉のクローバー)を。これは一本の草ですが、葉が三つに分かれています。では、私は質問します。
「この三つの葉は、それぞれ別のものですか?」
…そうですね、確かに三つの葉に見えます。
では、これらの葉はバラバラの三つの草でしょうか?
…いいえ!これは一本の草です。
このクローバーのように、神もまた一つですが、三つの姿を持っておられるのです。
「父なる神」は、私たちを創られた全能の神。
「子なる神」は、私たちを救うために人となったイエス・キリスト。
「聖霊なる神」は、私たちと共にいて導いてくださる神の霊。三つの葉が一本の草であるように、父と子と聖霊は、三つでありながら一つの神なのです!
では、皆さん、次に野に出てクローバーを見つけたら思い出してください。
この小さな草が、偉大なる神の神秘を私たちに示していることを。
そして、神の愛と導きに感謝を捧げましょう!
確かにこうやって説明されると、なんとなく理解できる気がする。
このように、セントパトリックさんが教えを広める際に利用したクローバーにちなんで、緑が象徴されるようになったようだ。
(ちなみに三位一体はトリニティとも呼ばれており、トリニティ教会などの「トリニティ」はこの教義を表している。)
まとめ:アイルランド系移民の象徴
セントパトリックデーとセントパトリック大聖堂はどちらも、アイルランドの守護聖人セントパトリックにちなむものであり、アイルランド系移民の多いニューヨークで重要な存在となっている。
セントパトリック大聖堂は、誰でも見学可能だ。無料で中に入ることができる。(寄付も受け付けている。)
緑色が華やかな大規模なパレードと、ニューヨークの観光地としても有名なセントパトリック大聖堂を見る際の参考になれば幸いだ。
※ChatGPTにより収集された情報で作成
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