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駐在妻のストレスの原因は?マズローに学ぶ初期駐妻の心を軽くする方法

メンタル
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こんにちは、ニューヨーク駐在妻3年目のさしみです。

駐在生活と切っても切り離せないものがストレス。特に駐在を始めて半年頃までは様々な要因から非常にストレスが溜まりやすいです。比較的メンタルが強い私も、渡米から半年ほどは辛いと感じていました。

3年目に入り「あの時もっと元気に過ごす方法はなかったのか」と振り返る中でマズロー心理学の本に出会い、駐在妻がストレスを感じやすいのはこういう心理状態だからなのかも、という発見ができました。

今日は、私が考える、駐在妻がストレスを感じやすい原因とその解決法をご紹介するので、もし今「駐在帯同していて辛い」「どうすればいいのかわからない」と言った悩みを持っているなら、今日ご紹介する内容を参考にしていただけると嬉しいです。

参考文献

※1 マズロー心理学と欲求階層~自分の本音を思い出す~

※2 なぜウツになる人とならない人がいるのか~マズローが教える心の健康法~

あなたのストレスの要因は?

ストレスを感じているみなさんは、駐在生活のどんなことに「嫌だな」「辛いな」と感じますか?

あくまで一例ですが、

  • 食事が合わない
  • トイレが汚い
  • 水や食材の清潔さへの懸念
  • 乾燥や寒さなどの気候条件が合わない
  • 必需品をどこで調達したらよいのかわからない
  • 育児に追われ睡眠や食事の時間がゆっくり取れない
  • 言語に対応できない
  • 犯罪などが多く治安が悪い
  • これまで培った自分の正義や常識が通用しない
  • 物価高で経済的に不安
  • 孤独感
  • 周囲からの疎外感
  • 途絶したキャリアへの不安
  • 同僚の出世などによる劣等感
  • 家庭内労働を家族から評価してもらえていない
  • 自分の家事や育児が正しい方向かが心配
  • もっと自分の力を発揮したい

などが挙げられます。実際はもっと複雑で、本当に人により様々だと思います。

しかし、この多岐に渡ると思われるストレス要因にも実は種類があるのではないかと私は考えています。

その種類とは、

人間が誰しも持つ5つの基本的欲求

に基づいていると考えます。

5つの基本的欲求に基づく駐妻がストレスを感じやすいメカニズム

「人間に共通する5つの基本的欲求」とはニューヨーク出身の心理学者マズローが、人間の本質を理解するために着目した「欲求=その人が人生において何を求めるか」を分類したものです。

5つの基本的欲求とは、

1.生理的欲求=生きていたい

2.安全の欲求=安心していたい

3.所属と愛の欲求=誰かと繋がりたい

4.尊重の欲求=自分(他者)を大切にしたい

5.自己実現の欲求=自分らしくありたい

というものです。番号が若いほど低次の欲求であり、満たされていない状況下での優先度は高くなります。

マズローは、この5つの欲求が満たされていないと心の病を生むとも言っています※2

私は、駐在妻がストレスを感じやすい原因は、日本で当たり前に満たされていたこれら5つの基本的欲求が急激に満たされなくなるからだと考えています。

上述したストレスの要因を5つの基本的欲求に当てはめながら、どうして駐在生活では急激に満たされなくなるのかを考えてみます。

①食事が合わない

②トイレが汚い

③水や食材の清潔さへの懸念

④乾燥や寒さなどの気候条件が合わない

⑤生活必需品をどこで調達したらよいのかわからない

⑥育児に追われ睡眠や食事の時間がゆっくり取れない

食事、排せつ、睡眠、生活環境など生命を維持するのに不可欠なものは「生理的欲求」に該当します。
この欲求はあらゆる欲求の中で最も優先度が高く、全ての土台となる欲求ですが、食のレベルが高く、世界屈指の清潔感を誇る日本での生活と比べると満足のいく水準に達していない場合も多いのではないでしょうか。
また、勝手のわからない場所で自分や家族の生命を維持しなければならないというプレッシャーがのしかかる場合もあると思います。

⑦言語に対応できない

⑧犯罪などが多く治安が悪い

⑨これまで培った自分の正義や常識が通用しない

⑩物価高で経済的に不安

知らないものや理解できていないものに恐怖を感じ慣れ親しんだものを好むことは「安全の欲求」に該当します。
戦争や貧困などの心配がない社会にいるとこの欲求を意識することは少ないですが、言語が通じないことや法律が違うことなど、文化の異なる国での生活では安心感が少なく、自分の身の安全が脅かされることすらもあります。
また、生理的欲求と同様に、日本での水準と比べると著しく低くなっている場合が多いと考えられます。

⑪孤独感

⑫周囲からの疎外感

人との結びつきが少ないことで人との関係を渇望したり「寂しい」と感じたりする「所属と愛の欲求」に該当します。
知り合いのほとんどいない場所での孤立無援の駐在生活では、満たされない状況が生まれるのは至極当然だと思います。
駐在仲間という新しい関係性に心が安らがなかったり、そもそも人とのつながり自体が少なくて心細いと感じることはこの欲求の不足と捉えられます。

⑬途絶したキャリアへの不安

⑭同僚の出世などによる劣等感

⑮家庭内労働を家族から評価してもらえていない

⑯自分の家事や育児が正しい方向かが心配

尊重したい・されたいなと感じることは「尊重の欲求」に該当します。この欲求の基盤には自己肯定感があり、自己肯定感には「自分自身の本質を認めること」と「他者からの評価」の両面から形成されます。
これまで会社などに所属していた人の場合は、人からの評価で自己肯定感や存在価値を育むことが多く、自分を認めることに慣れていないように思います。
そのような人が帯同による退職や休職などでコミュニティが急に家族のみになることにより他者からの評価が得られず、自己肯定感が満たされない状況は生まれやすいと言えます。
自己肯定感の喪失は劣等感や自信のなさ、存在価値を見いだせないなどの感情につながります。

⑰もっと自分の力を発揮したい

自分の内なる可能性を最大限に発揮したい=「自己実現の欲求」に該当します。
この欲求は、前の4つが満たされた状態で出現するもので、欠乏を埋めるというよりはもっと上を目指したいというポジティブな欲求になります。

(以上※1より筆者まとめ)

また欲求の性質として、満たされた状態が一定期間続くとその欲求の重要性を過小評価してしまい、より高次の欲求を満たすことに邁進してしまうという傾向があります。

以上の内容をまとめます。

異国の地で生活を始めた駐在妻は、これまでの生活で享受できていたあらゆる欲求が急に不足状態になっているにも関わらず、長期間満たされ続けてきたが故に基本的欲求が不満であることや、それを充足することの必要性に気付けていない可能性があります。

その上、日本では当たり前に満たされてきた低次の欲求すらも十分に満たせていない(=土台が安定していない)状況なので、心の健康も揺らぎやすいのかもしれません。

つまり、ストレスの原因は、

当たり前だと思っていた欲求が満たせてないからではないか?

ということです。

ストレスの要因が完全に網羅されているというわけでもなく、当てはめるのが難しい項目もあります。

ですが、多種多様なストレスの要因にもなんか種類がありそう、分類ができそう、と思っていただけていたらうれしいです。

少し理解できたうえで自分の悩みの種を分解してみると、思い当たる節があるかもしれません。

もし自分の悩みの種が5つの基本的欲求の欠如に当てはまるようなら、次の解決方法を試してみてください。

駐妻の心を軽くするための5STEPとは

では、どのように解決したらよいのでしょうか?

以上を踏まえると、「欲求の不足を自覚し、低次の欲求から順に満たすこと」が重要だと考えられます。

駐妻の心を軽くするための5STEP
  • STEP1
    欲求が満たされていないという事実を自覚する
  • STEP2
    低次の欲求を満たすための行動を起こす
  • STEP3
    時が解決するのを待つ
  • STEP4
    かつての友人とのつながりを大事にする

  • STEP5
    自分自身で自己肯定感を育む

この順で行うことで、低次の欲求から順に満たされていき、土台が安定すると思います。

欲求が満たされていないという事実を自覚する

日本にいたときと比べると、全ての欲求が満たされていません。これはほぼ確実です。

この事実をまずは自覚することが大事だと思います。

自覚をすることで、自分の中での「譲れる部分」と「譲れない部分」が見えてくると思います。

その境界を認識することで自分の満足レベルが下がり、充足感を得やすくなります。

  • 空腹が満たせれば食べ物はなんでもいいや
  • 病気にならなければ毎日お風呂入らなくてもいいや
  • 自分が動きやすい服装なら人からの見た目は気にしなくてもいいや
  • 生きていればいいや
  • 新しい友達いなくてもいいや
  • 英語話せなくてもいいや

など、人それぞれ妥協できる部分は異なりますが、譲れる部分を見つけることで、譲れない部分にかけられるコストやエネルギーが明確になります。

低次の欲求を満たすための行動を起こす

譲れない部分が明確になったら、実際にコストとエネルギーをかけて行動をしてみます。

ここで満たしたい欲求は、全ての土台となる「生理的欲求」「安全の欲求」の2つです。

低次の欲求ほど「モノを得ることで満たしやすい」という性質があるため、具体的な行動やモノによって充足感を得やすいからです。

例えば、食事が合わないのなら、日本食スーパーや日本食レストランを多用して馴染みのある食生活にしたり、楽天グローバルエクスプレスなどで日本から使い慣れた商品を取り寄せても良いと思います。
(マンハッタンだったら、知らないレストランの外食や中食をするより日本製品で料理をした方が安い場合もあります)

遅延やルート変更が心配な電車に乗りたくなければ、配車アプリを利用してもいいでしょう。

私の場合は、高価ではありましたがトイレにはウォシュレットをつけましたし、シャワーヘッドも使いやすいものに変えましたし、朝までよく眠れるように寝室には遮光カーテンを付けました。

一つ一つに小さいながらもストレスを感じていましたが、商品の購入により解決され、不快が減りました。

各々の欲求の充足に向かって行動をすれば、これらの低次の欲求は必ず解決方向に向かいます。

時が解決するまで待つ

一方で、安全の欲求については時が解決する場合もあるので、無理に行動をせずに待つというのも一つの方法です。

その土地で過ごす時間が長くなるにつれ、周辺環境、周囲の人の対応、言語、その国のルールやマナーなどが少しずつ自然に入ってくるからです。

「慣れ」や「適応」とも言えますが、知っていることが増えること=安全の欲求の充足ということを理解しておくことで、そのうち何とかなるかも、と思えるようになります。

最初はSNSで情報収集するだけでもいいですし、1日5分外に出てみるだけでも良いかもしれません。

見知らぬ土地で(子供を連れている場合は特に)身の安全に気を配るのは本当に疲れます。

安全の欲求が「行ってみたい、世界を知りたい」という方法で解決できるなら積極的に外に出たらいいですし、出たくないという方は無理に出なくてもいいと思います。

かつての友人とのつながりを大事にする

低次の欲求が充足し始めたら、人とのつながりを作る段階に入れます。

この時、駐在で新しくできた仲間以外も大事にしましょう。

新しく築く関係性では心の根底の考えを打ち明けることは難しく、孤独感から抜け出せないときもあります。

物理的な距離や時差の関係で日本と連絡が取りにくいという現実もありますが、気心の知れた学生時代の友人と連絡するなど、心がほっと落ち着く居場所を思い出してみてください。

駐在生活の具体的な悩みが解決するわけでなくても、かつての友人や同僚と他愛ない話をするだけで心が軽くなることもあります。

自分自身で自己肯定感を育む

新しい関係性ができてくると、人と比べてしまったり、人からの評価が気になってしまうかもしれませんが、ここで重要なことは「人からの評価にゆだねず自分で自己肯定感を育むこと」です。

白米を毎日食べていたら、毎日ピザでも平気な友人に「お米高いのに買ってるんだね」と言われてしまうかもしれません。

同時期に駐在を始めた友人の方が英語で現地の人とたくさん話せている姿を目にするかもしれません。

ですが、他人は他人、自分は自分です。

このような「他者からの視点」を土台にすると、健全な自己肯定感は育まれないとマズローは言っています。※1

健全な自己肯定感の形成するためには「自分自身の本質と向き合うこと」が非常に重要です。

  • 自分と家族の健康を支えている自分
  • 少しずつだけど初めより英語でコミュニケーションを取れるようになった自分
  • そのために自分なりの努力した自分

そんな自分の本質と向き合い、自分を認めていきましょう。

まとめ

駐在妻のストレスの原因は、駐在帯同中という環境下では基本的欲求が満たされにくい状況にあることで、解決方法は、欲求の不足を自覚し低次の欲求から順に満たしていく必要があり、心が軽くなる5STEPをお伝えしました。

私は心理学者でもカウンセラーでもないので、信ぴょう性は保証できませんし、全然当てはまっていなかったらすみません。

ただ、私の考えを発信することで、少しでも「あ、そうかも」と思ったり、ヒントを得られたりする方がいたらいいなとも思います。

当ブログでは、海外生活で失われがちな5つの基本的欲求を満たすための投稿をしていきたいと思っているので、もしよければ他の投稿もご覧ください。

参考書籍再掲

※1 マズロー心理学と欲求階層~自分の本音を思い出す~

※2 なぜウツになる人とならない人がいるのか~マズローが教える心の健康法~

私はこれまでの人生では小説をたくさん読んでいましたが、科学の本を読むことで視野が広がりました。

今回の書籍はKindle unlimitedなら無料で読めますし、他にもたくさんの本があります。

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