自分の幸せの追求は世界の幸せにつながる【国連見学で感じたこと】

考え
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ニューヨーク、マンハッタンに本部がある「国連」。

日本語での見学ツアーに、先日訪れてみた。

正直、私は国連という機関の仕事や国際社会の問題についてあまり関心がなかった。

今、自分が幸せに生きられればそれでいいと思っていた。

だか今回の見学を経て、意識が変わった。

自分の幸せとは何なのか?

どうしたら、今の幸せを教授し続けられるのか?

国連の役割を知ることで、気づいたことがあった。

私が感じた国連の役割や、私たちがするべきことについて、考えをまとめる。

国連の役割

アメリカとソ連が一緒に月に立てた国連の旗(だったと思う)

国連とは何か

国連とは、国際連合のことである。

それは知っていた。

その他、聞いたことがあったのは、

  • 国の代表が集まって、環境とか戦争とか話し合っているところ
  • 第二次世界大戦後に戦勝国によって作られた
  • 安全保障理事会っていうところがあって、常任理事国は拒否権がある(日本は非常任理事国)

くらいだった。

国連の概要については、今では簡単に生成AIで調べられるので、ChatGPTによって得た回答を載せておく。

国連(国際連合)とは?

国連(国際連合)は、世界の平和と安全を守り、国際協力を進めるための組織です。第二次世界大戦後の1945年に設立され、現在193の国が加盟しています。主な活動には、戦争の防止、人権の保護、貧困対策、環境問題への対応などがあります。

国連には、総会・安全保障理事会・経済社会理事会などの機関があり、特に安全保障理事会は、戦争や紛争を防ぐために強い権限を持つ組織です。また、ユニセフ(UNICEF)やWHOなどの専門機関も国連の一部です。

国連の決定には法的拘束力があるものとないものがありますが、世界の国々が協力するための重要な役割を果たしています。

正直、「ふーん」という感じだし、自分の生活には関係ないものだと思っていた。

国連は「明らかになる場所」

今回の見学を通じて、新たに気付いたこと。

それは、国連とは「各国の考えが明らかになる場所である」ということだ。

国際問題全体を扱う「総会」では、全193の加盟国が平等に一票を投じる。

総会は中継され、討論の内容も全て公開される。

平和と安全について話し合う安全保障理事会や、人権やSDGsなどの社会問題について話し合う経済社会理事会の討論や決議も、基本的には公開となる。

つまり、その国が今、どのような考え方でどのように行動しているかが、全部バレるのだ。

総会議場。全加盟国が入れる。

つい先日、ロシアとウクライナの停戦に関して、総会と安全保障理事会でのアメリカの振る舞いが話題になった。

簡単に要約すると、「アメリカがロシアを批難しない姿勢を取った」ということだ。

総会では、「ロシアを批難する」という主旨のヨーロッパの法案が可決されたが、アメリカはその案には投票をせず、多くの国も棄権した。

アメリカは、安全保障理事会でも同じように「ロシアを批難せず迅速に終結させる」という主旨の法案を出し、こちらは賛成多数で採択された。だが、ヨーロッパ各国は棄権した。

つまり、ロシアを批難する国とそうでない国、様子を伺っている国、というのが、この場で明らかになったということだ。(これがどういう意味を持つのかは、様々な観点からの考え方があるのでここでは明記しない。)

安全保障理事会の会議場。中央のテーブルには理事国が並ぶ。

どうするかは各国に一任

国連の決議に法的拘束力はない。

安全保障理事会には法的拘束力があるものもあるが、国連には実施を強制する権限はない。

国連での決議や勧告を受けて、どう行動するかは各国に委ねられている。

例えば、日本の死刑制度も勧告対象の一つだ。

国際人権条約「すべての人は平等に生きる権利がある」という基本的人権を侵害している制度なのだそうだ。

世界的には死刑制度は廃止の潮流で、多くの国では廃止しているし、国連総会でも、死刑停止を求める決議が2007年に採択されている。

だが、日本には現在も死刑制度は存在する。

理由は、①国民の死刑制度への支持が強い、②重大犯罪への抑止につながるとの考えからだ。

つまり、日本は国連の勧告に従っていないということだ。

国にはそれぞれ異なる事情がある。

国の状況に応じて定められているものを、外野である国連が変えることは不可能だ。

だが、国連の決議は国際社会の意見なので、その後の国の動き次第では、他国からの批判が強まったり、国の印象が悪くなったりすることもある。

経済社会理事会の会議場

国連とはいったい何なのか

私は、国連とは、世界の問題を解決できる、裁判所や警察のようなところだと思っていた。

国を超えて、自己の利益より世界が良くなることを追求できる人たちで、その意向にそぐわない国を正しい道に矯正することができる、と。

でも実際は、そうではなかった。

もちろん、平和でありたい、平等に生きたい、環境を守りたい、というのは人類全体の願いだ。

しかし各国は、その上でどうしたら自国がより良くなるかという視点も常に持っている(と思う)。

「国連」とは、そういう各国の思惑を明らかにし、動向によって国の印象が決定づけられる重要な場所だということが分かった。

国際社会の一員としてやるべきこと

自分が幸せに生きるためには?

国の印象が決定づけられることは何を意味するか?

それは、国同士の今後の関係性を左右するということだ。

国同士の関係性は、私たちの生活にも密接に関わっている。

私は正直なところ、遠い国で起こっている人権問題とか、100年後の地球の環境問題に、あまり関心を持てなかった。

自分の生活には関係ないし、今の自分が幸せに生きていられれば、国際問題はなるようになればいいやと思っていた。

では、自分の幸せとは何か?

私は、便利な商品、美味しくて充実した食事、安心安全な街があることに幸せを感じている。

ただ、これらは全て自給自足できているわけはなく、他国との様々な繋がりの中で生まれている。

国外製品の輸入に支えられているし、国外の人が日本に対して使うお金で経済が回っているという一面もある。

そんな中で、世界から日本が悪く見えたら、生活はどうなるだろうか?

例えば私たちが、女性を低く見なしたり、CO2を大量に輩出していたりしたら、国際社会はどう見るだろうか?

「日本はひどい国だ」

「あんな国とは取引をしない」

と言われてしまうかもしれない。

そうなると、今まで通りの私たちの生活は送れなくなってしまう。

国際社会からハブられてしまったら、「幸せな生活」は送れないのだ。

「今の自分が幸せに生きるため」に、関係がないと思っていた国際問題にも目を向けなければいけないと気づいた。

国民の振る舞いが日本という国の印象を決めるからだ。

自分の幸せが世界の幸せになる

私たちが今、幸せに生活するためにするべきことは、国際社会の方向性を意識して生活することだと私は思う。

例えば、「戦争推進」の政治家が国の代表にならないようにするためには、選挙に行ってそうでない政治家に投票する必要がある。

日本は環境問題に非協力的だ、と思われないためには、日頃から環境問題に意識を向けたり、環境問題対策企業を応援する必要がある。

日本という国が、国際社会の方向に沿っているということを、国民の行動で示す必要がある。

もちろん、先ほどの死刑制度のように、国際社会の流れに反する部分もある。

だが、この問題についても「死刑がないと本当に治安が維持できないのか?」「他国のように終身刑にしたら土地や経済はどうなるのか?」など自分でしっかり調べて、一人一人が自分なりの意見を持つことが重要だ。

国民の意識と行動が、国を作っていく。

それによってできた国を、国際社会は評価する。

今の国際社会の主な方向性は、平和、平等、環境の保護だ。

別に過激なことをする必要はない。

どちらに進むか迷ったら、この方向性を意識して進む。

それが、今私たちが日本で幸せに暮らすために、やるべきことだと思う。

これは、世界全体を良い方向に向かわせるための、国際社会の一員としての行動そのものではないだろうか?

つまり、自分の幸せのための行動は、国際社会に貢献できる行動なのだ

今日からできること

では、具体的に何から始めればいいのか?

それはまず、今の世界の状況と、日本の立ち位置を知ることだと思う。

一方で、これまでの私のように、国際問題にあまり関心がない人は少なくないかもしれない。

関心がないと、ニュースの用語は全然耳に入ってこないし、調べようにも何から調べればいいのかわからない。

そんな時、私が国際問題を知るためにやってよかったなと思ったことは、中田敦彦のYouTube大学世界史の講義を見る(聞く)ことだ。

なぜなら、私たちが生きている現代も、世界史の延長にあるからだ。

年号や人名の暗記はなく、軽快かつ明快なトークで、世界史を流れで教えてくれて、高校時代に世界史を専攻せず、知識と記憶が断片的な私でも理解しやすかった。

これを見ると、現代の国際問題が歴史から生まれているということが実感でき、その経緯が理解しやすい。

それがわかると、世界の流れやニュースの用語も理解しやすくなり、「これはどういうことだろう?」「もう少し深く知りたい」というところを生成AIに聞いたり、本を読んだりして補完できるようになる。

最初はわからなかったニュースが、だんだん入ってくるようになるのが実感できた。

全体の流れをざっくり把握できた後に他の動画を見てみると、様々な視点からの歴史や現代の問題を学ぶことができる。

それでかなり点と点が結び付き、今の情勢がだいぶ理解できると思う。

自分にとって、一番易しい方法で情報を入れてみることが、国際社会を理解する最初の一歩になるはずだ。

私もまだまだ勉強中だが、理解できると生きるのが楽しくなるので、ぜひやってみてほしい。

国連見学に行きたい方へ

以下の公式ページの説明がわかりやすい。

ニューヨーク市のマンハッタン、ミッドタウンにある国連本部を訪れてみませんか? | 国連広報センター

ざっくり説明すると、

1.予約ページから日付を選択し、JAPANESEの時間を選択

2.クレジットカード等で$26/1名支払い

3.訪問者の事前登録(初回要アカウント作成)

※個人情報登録、写真付き身分証明書のアップロードが必要。

詳細→Arrival | United Nations

4.当日はまずビジターセンターで入館登録→入館証を受け取って荷物検査→ツアー参加

となる。

ビジターセンター。入館受付に時間がかかる可能性があるので早めの到着が良い。
入館証をもらったら、横断歩道を渡ってこちらの入り口から入る。この後荷物検査。

日本語で丁寧に説明していただけ、質問にもたくさん答えていただけた。

訪問してみると、また違った発見があるかもしれない。

機会があればぜひ行って、自分の切り口で質問してみるといいだろう。

※余談

ツアーは1時間強で終わった。

終了後、お気に入りの西田商店でラーメン。お手頃でおいしい。ストレート麺がおすすめ。

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